独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第一三話 はじめてのディナー・デート(その5)

今日のご飯代は自分がおごることにした。ご飯代を出すだけでデートできるなら安いものだろう。ゲームとか本とかにお金を使うよりずっと良い。 駅まで遠坂さんと一緒に歩いた。いろいろたわいのない話をした。歩いている間、ずっと、どうやったら手をつなげるんだろうかと考えていた。まだ付き合っているわけじゃないから手を繋ぐのは早いだろうか。付き合ったら手を繋いでもいいんだろうか。手を繋いだら次のステップにはどう進んだらいいんだろうか。プロポーズとか結婚はいつできるんだろうか。 駅に着いてさよならした。 週末にまたデートに誘ってみるつもりだった。 (第十三話 おわり)

第一三話 はじめてのディナー・デート(その4)

その時、遠坂さんはメニュー見て固まっていた自分を普通に迷っていると思ったのか、「私、こういうのすぐ決めちゃうんだよね。適当に注文しちゃっていい?」と言ったのでお任せした。刺身の盛り合わせとかクシとか枝豆とかなら写真がなくてもわかったんだけど、と思ったが口に出しては言わなかった。 料理を待っている間、遠坂さんはずっとしゃべり続けていた。今はコミケの準備で忙しいらしい。コミケにはずっと前から行ってみたいと思っていながら結局一度も行ったことがなかった。開催時期になると必ずハテブにまとめ記事が載るので気にはなるのだが、人混みが嫌いなので無理してまで行きたいと思わなくなってしまった。一緒に行く友達がいれば行ってもいいのだがそんな友達はいなかった。遠坂さんから同人誌を販売する人用の入場チケットを見せてもらったが、なんかキラキラしてた。やっぱり自分みたいな年寄りにはキツイイベントのような気がする。 カシスオレンジがきたので乾杯して飲んでみた。見た目は赤かったが味はやっぱりオレンジジュースだった。遠坂さんは相変わらずしゃべり続けていた。自分は時々相槌を打つ程度だ。今は向かい合って座っているができれば隣り合ってもう少し親睦を深めたい。どうすればいいんだろうか。ぼちぼち、食べ物が届き始めた。 メリケンの話を思い出して、食べ物の話をし始める。どれも今まで食べたことのないものばかりだったので、美味しい、美味しいと言って食べた。本当に美味しかった。遠坂さんはコミケだけでなくいろんな所に行ってイベントに参加して本を売っているらしい。手に職のある人は自由でいいなぁ。一日中、パソコンの前に座っている自分とは大違いだ。結局、ほとんど遠坂さんが喋っていた気がする。メリケンのアドバイスは目を見て話す、周りを見る、笑顔の3つだったが、周りを見る以外はできたんじゃないだろうか。婚活を始めた当初はまったく女性の顔見れなかったが今はあの頃のことが嘘のように普通に顔を見て話ができるようになった。なんとなく回転寿司の自己紹介の効果のような気がする。笑顔は目の前に女性がいて話をしてくれているのだから自然とできた。でも、相手の顔を見ながら同時に周りは見れなかった。どうすればいいんだ。

第一三話 はじめてのディナー・デート(その3)

とりあえず、5分遅れでお店に到着した。幸い混んでなかったのか、半個室の席に案内してもらえた。適当に飲み物を頼む。遠坂さんがカシスオレンジを頼んだので自分も同じものを頼んだ。名前からしてたぶんオレンジジュースのお酒だろう。ビールはお腹が苦しくなるので出来るだけ飲まないようにしている。でもお酒は好きで、昔、大学時代に居酒屋さんに行った時はカルピスサワーとかコーラサワーが美味しくておかわりして飲んでいた。 ただ、これまで居酒屋さんに来たのは学生時代に両親と1〜2回、大学時代にクラスメイトと数回、あとは会社の飲み会くらいで、自分で注文したことが無かった。居酒屋の料理は嫌いじゃないのだが一人で入りにくいし、そもそも入っていいものなのかも分からなかったので、これまでに注文する機会が無かった。 しかし、よりによってデートでこれまでにやったことのないことをするというのは、よりいっそう難易度が上がる。さらにこのお店のメニューは手書きの文字で書かれていて、料理の写真が無かった。そしてイタリアンなので聞いたことのないカタカナの料理が多かった。パスタってスパゲティと何か違うんだろうか。たぶん、ピッツァはピザのことで間違いないと思うのだが、なぜわざわざ分かりにくい書き方をするのかが分からない。そうかと言えばまったくイメージできない料理もある。パエリアとかアヒージョって何だろう。

第一三話 はじめてのディナー・デート(その2)

案ずるより産むが易し。遠坂さんは時間ちょうどにやって来た。 「行きましょうか」 と言われ、早速、予約したお店に向かって歩き出した。遠坂さんは人混みをかき分けながら、コンビニのキャンペーンで手に入れたアニメ(何のアニメかはよく分からなかった)のグッズの話をしていた。何だかとても慣れた感じだった。自分は相槌を打ちながら話を聞いていた。 予約したお店は駅から歩いて15分くらいかかり、ちょっと離れていた。Googleマップのおかげか道に迷わずまっすぐ歩いてこれたはずなのにちょっと遅れそうだったので自然と早歩きになっていたらしく、 「はーやーい!」 と遠坂さんに怒られてしまった。 その時初めて遠坂さんの靴を見たが、かかとの高いオシャレなサンダルを履いていた。これでは歩きにくそうだ。ちなみに自分は、いつものメーカー不詳のスニーカーではなくデパートで服をまとめ買いした時に買った革靴を履いていた。この靴は長く履いていると足が痛くなるので嫌いなのだが、デートの時は履くようにしている。ただ、靴の裏がツルツルの皮なので雨の日は転びそうで怖い。

第一三話 はじめてのディナー・デート(その1)

30分以上前に遠坂さんとの待ち合わせ場所にした渋谷駅に到着した。なんか凄い人だ。だけどまだ遠坂さんは来てないみたいだったので、近くの喫茶店で時間まで待つことにした。 喫茶店も混んでいたが、ちょうど席が空いたみたいだった。ラッキー。その席に座ってアイスコーヒーを頼んだ。そしてふと不安がよぎった。本当に遠坂さんは来るんだろうか。自分みたいにブサイクで頭も薄くなってきた口下手なおっさんと一緒にご飯を食べても面白くないだろう。どうしよう。もし時間になっても来なかったらどの位待てばいいんだろうか。この喫茶店の中ならネットしながら2時間くらいは余裕で待てるが、天気が良いとは言え、外はちょっとキツイ。そうだなぁ、1時間待っても来ないで、何も連絡がなかったら諦めよう。いや、一応、電車の状況も確かめよう。電車の事故で遅れる可能性は十分ある。普通は連絡があるはずだけど、今日はたまたま携帯を忘れたのかもしれない。よし、一時間待って電車の遅れがどこもなかったら諦めて帰ろう。そんなことをウジウジ考えていたら待ち合わせ時間が近づいていたので、待ち合わせ場所に移動することにした。

閑話休題 その九 (40代非モテ男性の婚活)

サトータロー役の辺野々々・ローロ・茂平次(へのへの  ろーろ  もへじ)です。

 

気になる婚活関係のサイトを見つけたので、読んでみました。

 

http://moteoji.com/user/voice/

40代後半・エンジニアのユーザー様の声

49歳・関西在住のユーザー様の声

44歳・研究職のユーザー様の声

 

女性経験のほとんどない40代男性の婚活は非常に厳しいです。「煮ても焼いても食えない」という表現がありますが、この場合まさにピッタリ当てはまります。

別に40歳以上のすべての男性が結婚出来ないわけではないですし、実際には芸能人で10歳以上若い女性と結婚する方も少なからずいます。でもこれってお金とか見た目以外に本人の魅力が大きいんじゃないかと思います。男性でも社交的で人当たりが柔らかくて一緒にいて楽しい人っていると思います。そういう人ならたとえ40歳以上になっても結婚できると思うんです。

問題は社交的じゃない人、暗い人、無口な人。まあ、自分みたいな人間です。上記の3人の「ユーザー様」のうち二人がエンジニア、研究職です。理系の男性ってこういう人が多いですよね。決して悪い人ではないし、頭も良いし、ちゃんと働いているから収入も良い。だけど、女性と付き合ったこともないので、いざ、女性と一対一で向き合うと何を話して良いかわからなくなってしまい、何も進展せずに終わってしまう。たぶん、相手の女性からすると、事前のメールのやり取りでは、色んなことを知っていてちゃんと働いていて自分に興味がある様に感じていたのに実際に会ってみると全然喋らないしうつむいてばかりで人の顔を見もしない男性の態度は訳がわからなかったと思います。もしかしたら、何を考えてるかわからずに困るか、怒るか、怖がっていたかも知れません。翌日にはそんな男性から、また是非会いたいと連絡が来るのですから、女性としては「何言ってんだ」って感じでしょう。

40代の男性は若い男性と比べると老けて見えますがそれは仕方がないし、それは女性も分かってくれると思います。問題は中身も年相応なのかという点です。自分のことしか考えない、自分のことしか見えていない、お店の店員さんと普通にやり取りできない、デートしてもお店を決められない、他人の悪口ばかり話す、自分の自慢話ばかり話す、という40代男性は男でも一緒にいたくなくなります。そんなのは誰でも知ってるしこういう人はいないと思うかも知れませんが、人と接する機会がないと想像以上に常識は失われていきます。さらになかなか自分で自分のことは気づけません。その結果、40代男性がはじめてデートした後に次に女性に会おうとすると断られるという結果になります。

「ユーザー様」は結婚相談所で3年とか7年活動してきたそうですが、さぞかし大変だったと思います。自分はこれまで結婚相談所に入会したことはありませんが、単に女性との面会の場をセッティングだけなのを繰り返していたら、同じ結果になったかも知れません。

結局何を言いたいかというと、女性経験のない(ほとんどない)40代男性の婚活は見た目が老けているだけでなく、目には見えない中身の問題が深刻なために、絶望的なほど厳しいということです。

 だからコンサルタントを雇って解決するなら20万円超となかなか高額でも納得できます。自信のある人は婚活パーティーに参加してみて身の程を知るのがいいと思います。そこで自分一人でやっていけると思うならそもまま続ければいいし、もうダメだと思うならこういうコンサル含めたサービスに頼るのもいいと思います。ただ、結婚相談所では自分と同じ立場の人と話をする機会がないのでなかなか自分を客観視するのは難しいように感じるのですが、実際に行ったことがないのでよく分かりません。

 

 

第十二話 はじめての女性からの電話(その3)

このメリケンは日本語は話せないので、とにかく英語で聞いて、英語を話すしかない。なんだか偉そうに説明を始めた。 「デートには3つのコツがある。これができればデートは成功したも同然だ。たった3つだ。簡単だろ。」 「その3つというのは、何ですか?」 「まあ、そう焦るな。ちゃんと順番に説明するから」 メリケンは説明を続ける。 「一つ目は目を見て話すこと。人と話すときはちゃんと相手の目を見て話さないとダメだ。」 おいおい。散々もったいつけて、そんな当たり前のことかよ。まあ、でも俺はその当たり前が出来なくてずっと悩んでいたんだけど。それでもオタク婚活パーティーで何十人もの女性と機械的に話をしてるうちに何となく慣れてきた気がする。遠坂さんともちゃんと顔を見て話が出来てたと思うし。まあほとんど聞いているだけでたまに相槌を打つくらいなんだけど。1つ目のアドバイスはあまり役立ちそうにないかな。 「オーケー。それで、二つ目は?」 俺は何か役に立つ話がないかと続きを促した。 「二つ目は、スマイル。いつも笑顔を絶やさないこと。男が真顔だったり、イライラした顔をしてると女性は不安になるんだよ。だからいつもニコニコしてればいい。それだけで女性は安心する。」 「なるほど」 言われてみれば確かにそうかも。これまで合コンや婚活パーティーで周りの人たちと比べて変じゃないかとか、浮いてないかとかしか考えてなかったけど、それって客観的に見るとオドオドした挙動不審者に見えていたかも。婚活パーティーの回転寿しで話をしてた時も、相手のプロフィールを読んだり質問に答えることでいっぱいいっぱいになってて、笑顔とか皆無だった気がする。何というか、仕事モードに近かったかも。スマイルは今後の課題だ。 「それで、最後のコツは?」 「三つ目は、周りをよく見ること。」 ん?それってボールか何かが飛んできたら彼女を守れってことか?よく分からない。 「それはどういう意味ですか?」 「周りをよく見て話のタネを探すんだよ。別に特別な話は必要ないし、専門的なことを話す必要もない。たとえば、カフェとかレストランでしゃれた飾り付けや面白いモノがあったら、それをそのまま話せばいい。コンクリートの打ちっ放しっいいよねとか、天井が高くて解放感があるね、とか。」 なるほど〜。自分が会話に詰まる理由が分かった気がする。相手のこととか周りを全く見ずに、一生懸命考えていたから話すことがなくなっちゃうんだ。これは課題二つ目だ。 最後にメリケンから「グッドラック!」と声援を貰い、今日の英会話は終了。その後、遠坂さんとの待ち合わせ場所へと向かった。 (第十二話 おわり)