独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十二話 はじめての女性からの電話(その2)

そして、翌週の土曜日の日中、とある喫茶店で俺は30才位の金髪碧眼の白人男性と向かい合って座っていた。白人は英語で話す。 「何か新しいことはないのか?」 俺は片言の英語で答える。 「ないよ」 「この後はどうするんだ?」 「女性と一緒にご飯を食べる予定」 「!。その女性って誰だよ」 「まだ、知り合ったばかりでよく知らないんだよ」 「なんだ、もしかしてデートなのか?」 「え、なに?」 「デートだろ?(On a date)」 「まぁ、そうだよ」 英語でもデートって a date でいいんだ。 「よし、今日は英会話はやめてデートのコツを教えてやろう。その方が絶対お前のためになる。必ずいつか俺に感謝することになる」 サボれるのはいいんだけど、あんまり変なこと説明されても面倒だな。 実は週一で英会話をしている。NOVAとかAEONとかではなく、ネットのサービスで、近所の喫茶店で外国人と話をするという内容。俺の正面に座っているのが今の先生。俺の10才下のアメリカ人なのだが、確か日本人と結婚していたはず。この先生、結構、キビシイ。ちゃんと内容を理解してないと、しつこくいろいろ訊いてきて流してくれない。おかげで、TOEICのスコアは毎年上がっているんだが。今日は何の気まぐれか、おかしな流れになっている。

第十二話 はじめての女性からの電話(その1)

そして3週間がたとうとしていた土曜日の夜、今まで鳴ったことのなかったスマホの着信音が狭いアパートの部屋に鳴り響いた。 最初、何が起きたか分からなかったが、少ししてそれがスマホの着信音で自分のiPhoneに電話がかかってきていることが分かった。このiPhoneに電話がかかってきたのって初めてかもしれない。画面には「遠坂凛」と表示されていた。大変だ、早くでなきゃ。でも電話はどうやって出ればいいんだろう。画面をよく見たらスライドする印が出ている。そっか、普通にスライドすればいいのか。すぐにスライドさせる。 「も、もしもし、サトーです。」 「遠坂です。今、大丈夫ですか?」 「全然、大丈夫ですよー。」 遠坂さんからの電話ならほとんどの用事はキャンセルして大丈夫にしちゃいますよ。 「連絡が遅くなっちゃってゴメンなさい。なかなか原稿が終わらなくて。」 「へーき、へーき。待つの大好きだから。」 フェードアウトされたらどうしようと思ったけど、本当に連絡が来て良かった。 「来週の土曜日って時間ありますか?」 「あ、土曜日ですか?大丈夫です。」 「よかった。どこかに出掛けませんか?」 もちろん、これは即答だ。 「はい、行きましょう♫」 「どこに行きましょうか?」 どこだろう。自分としては遠坂さんと一緒ならどこだっていいんだけど。 デートの定番と言えばあそこだろうか。 「えっと〜、映画とか遊園地とかはどうでしょう?」 「・・・。まだ、私たちってお互いのことをほとんど知らないじゃない。だから、しばらくはご飯を食べながら話をするのが良いと思うんですけどぉ。」 「そ、そうですね。」 「どこがいいかな?」 そんなこと聞かれても俺が知っているわけが無い。 「えっとー。あまりそういう所は行ったことがないからよく知らないんですよ。」 「別に普通のところでいいよ。」 だから、普通が分からないんだよ。俺がよく行くのはラーメン屋とか吉野家だ。 「たぶん、遠坂さんの方がお店とかいろいろ知ってると思うんだけど」 「・・・。こういうのは男性が決めるものなの。」 「そうですか。それじゃあ、調べて後で連絡しますね。」 「はい。」 と言うわけでお店を決めなくてはならなくなった。また、食べログで検索してみようか。そういえば、木村さんと合コンしたお店がオシャレでいいかも。ちょっと高いけど、遠坂さんと行けるなら全然オッケーだ。さっそく、お店に予約の電話を入れる。そして遠坂さんにメールする。よーし、遠坂さんとデートだ。あ、また、服を買ってこないといけない。明日、デパートに行って買ってこよう。本当にお金がかかるなぁ。

閑話休題 その八 (婚活女性いろいろ)

サトータロー役の辺野々々・ローロ・茂平次(へのへの  ろーろ  もへじ)です。
 
(主にオタクの)婚活パーティでのカップル率は自分の感覚だとだいたい3割くらいです。
カップルとは言っても恋人同士ではなく、合コンでのメアド交換+α(アルファ)程度の意味くらいしかありませんが。
参加者がそれぞれ第三希望まで書いて司会者に提出して両思いになれば「カップル成立」になります。
だから、本当はもっとたくさんの人がカップルになるはずなのになぁ〜と思ってました。
ただ、何回か参加する内に明らかにモテそうな女性がカップルにならなかったりするのを見て、希望無し、つまり白紙で提出している気がしてきました。さらに後から、参加した女性から普通に「何人か白紙で出してたよ」と聞いたこともありました。
男で白紙で出したという話は自分は聞いたことがありません。
(聞いたことがないだけで実際はいるのかもしれませんが、女性より少ない気がします。)
 
このことを最初に知った時、女性側のあまりの意識の違いに愕然としましたが、つぎの婚活漫画を読むをそれはいたって普通で少なくない女性がそう考えていることが分かります。

 

ちかさの婚活がまだ終わらない。 (美人時間コミックス)

ちかさの婚活がまだ終わらない。 (美人時間コミックス)

 

 

アラサーOLが婚活で出会った変な男を面白おかしく描いてる漫画です。ただ、漫画の所々で作者の内面や考え方が見え隠れしています。
たとえば、Amazonの紹介文に、
>>
合コンから婚活パーティー、街コンまであらゆる手を尽くしてみても、目の前に現れるのは一癖も二癖もある相手ばかり。こんなに出会いがないなんて
<<
合コン、婚活パーティー、街コンに参加して少なくとも数十人に男性に出会っていながら、「出会いがない」と言っています。この作者は独身の「白馬に乗った王子様」に出会わない限りであったことにならないようです。さらに作者(とそのお友達)は「普通の人」がいいようなことを言ってますが、「白馬に乗った王子様」は「普通の人」ではないですよ。
たぶん、モデルや俳優さん並のルックス&立ち居振る舞いの人がいれば、彼女たちは満足なんでしょうけど、そういう人が婚活パーティに参加する可能性はあまり無いでしょうし、もしいたら何か裏がある気がします。
 
この漫画では確かに変な男性が描かれていますが、普通の男性も登場します。ただ、普通の男性は名前も何もなくその場限りの登場ですので、理由は分かりませんが、お別れしているんだと思います。
たとえば、第一話のお見合いパーティーでカップルになった男性には特に変なところは何もないのにお茶の誘いを断っていますし、第5話ではまともな人とカップルになってますし、第10話ではレインボーブリッジらしきものを眺めながら男性と2人で食事してるし、なんでそういう人と付き合おうとしないんでしょうか。
 
まだ、20代ですし恋愛経験もあるのでそれなりにモテるんでしょうけど、好きな韓流アイドルみたいな男性はなかなか見つからないと思います。現実を受け入れられない女性が婚活パーティにいても男性側としては「機会損失」にしかならないので参加して欲しくないのですが、せめてそういう女性を見分ける方法を知りたいです。
 
 
同時期にもう一つ婚活マンガを読みました。

 

BL漫画家ですけど結婚してもいいですか? (GUSH COMICS DX)

BL漫画家ですけど結婚してもいいですか? (GUSH COMICS DX)

 

 

こっちはいろいろ共感できました。
内容はBL漫画家が婚活をして結婚するまでのお話しなんですが、ほとんどが自虐ネタです。変な男性、変わった男性も登場しますが1人か2人です。
最初の漫画は「普通の人」に出会えないと嘆いて終わっていますが、こっちは「普通の人」と出会っても進展なく行き詰まった後に未来の旦那さんに出会って、これまでの自分の間違いを認めて、結婚という流れになっています。
まじめに人生を歩んでいる人が幸せな結末になるのは、フィクションでもノンフィクションでも嬉しくなります。
 

第十一話 はじめてのカップル成立(その9)

男女別れて席に座り、希望の異性の番号を紙に書いて司会の人に渡した。自分が書いたのは、当然、遠坂さん、ポニーテールの人、そしてもう一人いた可愛い女性。ただ、遠坂さん以外は反応がなかったので、可能性はほとんど無いと思う。そして遠坂さんはよく分からない。何で自分に話しかけてきたのか、未だに分からなかった。5分くらい待っただろうか。司会の人からカップルの発表があった。今日のカップルは3組だそうだ。20人いて3組ならカップル率は結構高い気がする。それでも、14人は収穫なしなので、カップルになれなかったら落ち込むと思う。そんなことを考えていたら、自分の番後が呼ばれた。えっ。次に呼ばれた女性の番号は遠坂さんの番号だった。マジ!?とりあえず、イスから立ち上がると、遠坂さんも立ち上がっていた。聞き間違えではないらしい。司会者は、おめでとうございます、とか言っていて、周りの人たちは拍手してくれている。未だに信じられなかった。とりあえずイスに座る。残りの番号が呼ばれているが頭に入ってこなかった。そうか、とうとうカップルになれたんだ。ただ、気をつけないといけないのは、まだ知り合ったばかりで、全然、彼女でも何でもないということ。どこかのサイトに書いてあったし、2ちゃんねるにも書いてあった気がする。馴れ馴れしいことはしない様にしないといけない。そもそも、あの遠坂さんに馴れ馴れしいことなんて出来ると思えない。関係というか距離感としては、4seenの合コンで知り合った木村さんと同じくらいと思えばいいのかも。遠坂さんとはまだ連絡先すら交換してないけど。そうだ、この後どうしよう。まだ、晩御飯には早い時間だから、ご飯を食べる訳にもいかないし。確か近くに喫茶店があったから、そこに行こう。もちろん、遠坂さんが行きたいところがあれば、サブウェイでもラーメン屋でもどこでも行くけど。カップルの発表や預けた荷物の返却とかが終わって解散になった。カップルになった6人を除き、女性、男性の順で退室していく。あの身体の大きな女性も他の女性と一緒に退室していった。そして、いよいよ自分たちの番になった。6人で一緒にエレベーターに乗ってビルを出る。あんまりというかほとんど会話はない。ビルを出た後で、遠坂さんから「これからどうします?」と聴かれたので、「近くの喫茶店に行きましょう」と言ってとりあえず喫茶店に行くことにした。そして喫茶店に入ったらさっき別れた2組のカップルもいた。みんな考えることは同じらしい。二人ともアイスティーを頼んで空いているテーブルに座った。座ったけど、目の前に遠坂さんがいると、緊張して全然くつろげない。えーと、何かしゃべらなきゃ。そうだ、気になっていたことを訊いてみよう。
「あの〜、一つ訊いていいですか?」
「何でもきいてもらっていいですよ」
「何でボクを選んだんですか?」
「・・・年収が一番高かったからよ」
「あ、そうですか」
なんか身も蓋もない感じだな。まあ、ハッキリしていていいけど。今回は単に知り合うきっかけとだけ考えて、これから仲良くなっていけばいいんだよな。
その後、遠坂さんがほとんど一方的にしゃべり続けて、気づいたら日が傾きかけていた。それで、そろそろ帰りましょうとなって、連絡先を交換して、駅まで一緒に歩いて行ってお別れとなった。残念なことに遠坂さんはこれから忙しくなるので、しばらく会えないそうだ。時間が取れたら連絡してくれることになった。待ち遠しいなぁ。仲良くなったら、手をつないだり腕を組んだりするんだろうか。よくアニメで腕を組んで胸が当たってみたいなシーンがあるけど、遠坂さんなら間違いなく当たりそうだ。駅で遠坂さんとお別れした後は明るい未来に胸を躍らせながら家に帰った。
 
それから2週間、遠坂さんからの連絡は何もなかった。フェードアウト(※)という言葉が頭をよぎり始めていた。
 
※ 連絡が途絶えることによる関係の自然消滅。
 
 
(第十一話 おわり)

第十一話 はじめてのカップル成立(その8)

三回目のフリータイムが始まると、すぐに遠坂さんの所に向かった。今度は別の男の人が来た。こんな綺麗な女性からアプローチしてきてくれるようなことはもう二度とないと思ったので、この時は柄にも無く頑張った。必死で共通の話題を探し、何とか話題について行こうとした。3人の共通の話題となるとやっぱり流行りのアニメやゲームしかなかった。オタク系の婚活パーティーに参加している人が持っているゲーム機はほとんどがプレステやビータのようだった。あとはモンハン専用機としてDSを持っているという感じ。なんとか無双とかの話をされてもさっぱり分からなかった。ただ、分からないなりにでも、仕方なしに「アクションゲームは何も考えないで遊べるから楽しいですよね。」とか適当なことを言った。昔からアクションゲームは苦手だった。スーパーマリオの最初のお城の火のポールを飛び越えられないので、一度もクッパまでたどり着いたことがなかったし、グラディウスは一面の火山のボスを倒した後にすぐに死んでしまってそこから二度と立ち直れなかった。そう言えば、スペースハリアーは金にモノを言わせて、最後までクリアしたけど。自分にとってはゲームと言えば、RPGかノベルゲーム(エロゲ)だった。
 
そんなこんなで、最後のフリータイムが終わった。最後はライバルもいたので頑張ったがどうなるか分からなかった。

第十一話 はじめてのカップル成立(その7)

そして交代時間になったので、ポニーテールの女性のところへ行った。こっちはすでに男の人が二人いて1対3になった。テーブルの上にも1対3の形でプロフィールシートが並べられる。この時、初めて他の男性のプロフィールシートを見たが、年収は自分の半分くらいしかなかった。それは、まあ、予想通りで単なる確認だったのだが、意外だったのは、かなりびっしりと書き込んでいたことだった。趣味なんかの枠が全部埋まっているだけでなく、ところどころに絵やマンガで書き込みしてあって、とても賑やかだった。パッと見、スカスカの自分のとは差が歴然としていた。さらに会話も慣れた感じで、女性向けのアニメやマンガのことも良く知っている感じだった。どうも彼らはオタク関係の友達との交友がありそうで、一緒に出かけたり、コミケに行ったり(俺は行ったことはない)、カラオケに行ったりしているようだった。昔、大学(工業大学だったので男ばかり)の同じクラスの友達とカラオケボックスに行ったことがあるが、歌える曲が無くてほとんど聴くだけだった。テレビCMで聞いたことのある曲もあったが、そういうのはサビの部分しか流れないので、やっぱり歌えなかった。結局、3人の会話を傍観しているだけで二回目のフリータイムが終わってしまった。

第十一話 はじめてのカップル成立(その6)

ケーキタイムが終わりフリータイムが始まった。女性と男性が向かい合って番号順に並ぶ。自分は心臓がバクバク言って隣の人に聞こえるんじゃないかと気が気ではなかった。開始の合図で女性陣が動き始める。遠坂さんがまっすぐこっちに歩いてきた。なんか番号を確認しているようだった。そして自分の前で「お話、いいですか?」と声を掛けてきた。自分は、情けないくらいキョドってしまっていたが、それでも近くにあったテーブルで話しましょうと誘導してイスに座った。「僕なんかの何が良かったんですか?」と喉元まで出掛かった疑問を飲み込んで、とりあえず、「声掛けてもらって嬉しかったです。」と正直に言った。その後は好きな食べ物の話になって好きなラーメンの話になった。あまりラーメン屋に入るようには見えなかったが一人でも入るそうだ。それで吉野家にも一人で行ったりするのと聞いたら、吉野家は入りにくいけどすき家は入るそうだ。違いはチケットの有無だろうか。彼女の食事のオススメはサブウェイだそうだ。地下鉄のことではなく、サンドイッチ屋さんだそうで、野菜がたくさん入っているらしい。ダイエットして以来、野菜が好きになったので今度行ってみようと思った。