独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

後日談 エピローグ

数ヶ月後。
都内にある某病院の分娩室。
旧姓 小川さん、今は佐藤 花子となった彼女はイスのようなベッドの上に横たわって荒い息をしていた。俺は彼女のそばに立って手を握っていた。助産師さんが「もう頭が出ていますよ!今が一番痛い時です。頑張って!!」。それからすぐに赤ん坊の声が分娩室に響き渡った。とりあえず、スマホで産まれたばかりの赤ん坊の写真を数枚撮ったあと、動画も撮った。何というか動物みたいで可愛いという感じではなかった。

当初、ハネムーンは海外旅行を計画していたが、彼女の妊娠が発覚してキャンセルするしかなくなった。お互いアラフォーで若くないので子供は半分諦めていた。不妊治療も考えていたがネットで調べた限り、お金も時間も肉体的にも辛そうなので不安だった。あと、病院で精子を採取するのは嫌だな、とかも思った。それが、あっさり妊娠したのでびっくりした。彼女のお腹は日増しに大きくなっていったがドラマとかで見るみたいな吐き気とかのつわりの症状はなかった。食べ物の好みが変わったくらいで、あとは元気で出産予定日を迎えた。

今、花子の実家に来ている。そして、花子が息子の一郎のおしめを取り替えている。一郎が二十歳になるころには自分は六十歳を超えている。それまで自分は生きていられるんだろうか。とにかく今は子供の成長を楽しみに生きていくんだろうなぁ。

この前、3年ぶりにドラクエ・オンラインをしたら1時間も続けられなかった。自分の「家」に行っても、当時、毎日行っていた狩場に行っても虚しくて続けられなかった。アニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」はゲームとリアル世界の混同が一つのテーマだが、自分の場合、現実世界からの逃避や代償行為としてアニメやゲームがあったきがする。そうであればリアルが充実した今、アニメも見なくなっていくのかもしれない。最近の嫌な予感の一つは、婚活、結婚、出産など全てが半ば気が狂った俺の妄想で、攻殻機動隊の映画の哀れな清掃員のような状態になっていて、今も狭い1Kのアパートに住んでいて万年床の布団の中で白い天井を見上げているんじゃないかというものだ。そういえばマンションの壁や天井も白いなぁ。そうではない事を切に願う。

 

 

 

 

 

 

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(後日談 おわり)