独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十八話 イベント婚活での出来事(その5)

プラネタリウム・バー)
学生時代は帰宅部を貫き通し、高校時代も何もしていなかった。実はそれを後悔したことがある。高校を卒業する間際に天文部に入部していればもれなく彼女が付いてくるというまことしやかな噂を聞いたからだ。天文部にクラスが違う知り合いがいたので、卒業前に打ち上げみたいな感じでカラオケに行った時(この時初めてカラオケに行った)、少し話したことがあったのだが、卒業時点でカップル率100%だったそうだ。たまたま、打ち上げに参加していた天文部の女子をみたら可愛かった。理系っぽさが感じられるが十分可愛かった。覆水盆に返らず。今更、天文部に入部できるはずもなく、もう卒業間近でどうしようもなかった。その後、(今考えると恵まれた)共学が終わり、田舎の工業大学に入学したため女子率1/40という限りなく男子校に近い生活が待っていた。会社に入ってからは同年代の女性は皆無だった。
今更ながら星関係って理系の人には合っている気がする。何となく本好きが多そうだし、話も合いそうだ。それでアールズのイベントにプラネタリウム・バーというのがあるので参加してみることにした。バーの中にプラネタリウムがあって星を観ながらお酒が飲めるらしい。ちょっとイメージがわかないが、プラネタリウムもお酒も好きなので大丈夫だろう。いつものようにネットから申し込みをした。
数日後、アールズからメッセージが届いているというメールが来ていた。そんなメールを見るのは初めてだったので、さっそくネットからログインしてみるとプラネタリウム・バーのイベントに参加する予定の女性からのメッセージが届いていた。「私も美術館や博物館を見て歩くのが好きです。イベントまでまだ時間があるのでメールしませんか?」みたいなことが書いてあった。イベント参加申し込み時のコメントに趣味で美術館・博物館巡りと書いておいたのが良かったらしい。とりあえず、すぐに返信する。最近知ったのだが、東京にはたくさんの美術館や博物館があってほとんど毎日、何かしらの特別展をやっていた。話題づくりも兼ねて時間があれば観に行くようにしていた。この女性(浅野さん)はラファエルという昔の画家の絵が好きだそうで、いろんな作品について、文学全集で使われているような難しい言葉で語っていた。浅野さんも絵を描くのだろうか。自分には絵の才能がまったく無いらしく、どちらかといえば写真を撮る方が好きだ。DSの絵心教室もやってみたが、リンゴに見えないリンゴの絵ができた。自分のリンゴの絵とお手本と絵のどこが違うのかすら、わからなかった。全部違うことは分かるが、それじゃあ、絵は上手くならないだろう。実際に会える日を楽しみにしています、と当たり障りの無いメールを送ってイベント当日を迎えた。
イベント開催日の夕方、現地集合だったので開催予定のバーに時に向かった。最寄駅は白金台とかいうところだが、一度も行ったことの無い駅だったので心配だったが、スマホの駅前探索アプリとGPSで迷わず到着できた。お店に入るとアールズの人がいたので受付を済ませた。店内は一見、普通のバーに見えたが、奥の方に確かにプラネタリウムの映写機があって天井は半球状のスクリーンになっていた。そして、二人がけのソファが円形に並んでいる。何人かの人が先に来ていてイスに座っていたので自分も座る。
人もだいぶ増えてきたところで開始時間になった。イベント会社の人が説明を始めた。あとプラネタリウムで星の説明をしてくれる人を紹介していた。飲み物のオーダーをとり、男女交互になるように席替えをする。そして、プラネタリウムが始まった。改めて思ったのはプラネタリウムって天井に白い点が映っているだけなんだなということ。お店の人が時々解説してくれるんだけど、なんだか眠たくなってくる。隣の女性と話をしようにも暗くて顔がよく分からない。そんなこんなでプラネタリウムが一旦終了。その後、席替えとフリートークになったが、プラネタリウムに関係した話は何もなかった。何度目かの席替えで浅野さんに出会えた。浅野さんは座っていても分かるくらい背が小さく小動物のようだった。そして蚊の鳴くような声で話をした。どうも自分は期待ハズレだったらしい。こういうのが目に見えてるから文通とかメル友みたいな婚活は自分に向いていないと思う。その後、何度かの席替えの後、イベント終了となった。この日、参加男性は参加女性のお眼鏡に叶わなかったらしく、二次会はなかった。
イベント前にメッセージをもらったのは初めてだったし、いい雰囲気でメールのやり取りもできていたはずだった。でも、実際に会うと一瞬で終わってしまう。正直、少しは期待を持ってしまうので悲しい。