独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十八話 イベント婚活での出来事(その3)

(乗馬)
前回のイベントでは、婚活的な意味では収穫がなかったが、ロッククライミングがしてみたいという子供の時からの夢が叶ったので良かったと思う。改めて振り返ってみると婚活というのは成果が見えないので時々辛くなる。婚活パーティーで連絡先を交換してもよく音信不通になるし、デートしても次につながらない。このまま婚活を続けても、手をつなぐより先には進めないかも知れない。でもイベント婚活で以前からやってみたかったことを経験するのも悪くないかも知れない。もちろんそこで彼女が見つかるに越したことはないが、それは可能性が低そうだし、何か成果が欲しい。そうじゃないと続けていく自信がなくなってきた。
そういうことで、イベント婚活の第二弾は乗馬にしてみた。進撃の巨人でも馬は欠かすことのできない「道具」だが、ドラクエやFF、その他の西洋ファンタジーを舞台にした様々なゲーム、漫画、小説、映画でもほぼ必ず登場する。しかし、自分含めてほとんどの人は見たことはあっても乗ったことはないんじゃないだろうか。実はその馬に乗って走ってみたいと密かにずっと思っていた。乗れるかどうかの不安はあるが、北海道出身なので子供の頃からスキーをやっていたので人並みのバランス感覚はあると思うし、テレビなんかを見る限り、足でアクセル、手綱でハンドルとブレーキの役目をしているように見える。ちなみに競馬は嫌いだし興味はない。そういう人たちがイベントに参加したらイヤだな。
イベント申し込みはあっさり完了し、イベント当日に会場に向かった。場所は神奈川県にある乗馬クラブだった。待ち合わせは駅前で閑散としていたので、参加者はすぐ分かった。参加者は男3、女3の合計6人出そうだが、内2人は現地集合だそうだ。乗馬クラブまで歩いていくのだか、参加者の女性と少し話ができた。その女性も最近アールズに参加したばかりで、ボルダリングにも参加したことがあるそうだ。翌日、筋肉痛で大変でしたよね、などとたわいのない話をした。上手くいけば、一緒にボルダリングができるかも知れない。ボルダリングはもう興味はなかったが、デートに誘うネタになるなら全然ありだ。どうやって、さそおうかと考えていたところで乗馬クラブに着いてしまった。
現地集合組と合流し簡単な自己紹介のあと、受付のため自由な時間ができた。それでカメラを持って少し辺りを見て回った。近くの柵の中に白いポニーがいた。あとは少し離れた木造の倉庫みたいな建物の中にたくさんの馬がいた。動物園以外でこんな大きな動物を見るのは初めてだったので新鮮だった。その後、事務所に戻った。
事務所ではブーツと帽子、ジャケットを借りた。帽子は見た目と違いヘルメットみたいな硬さがあった。ジャケットは落馬時に膨らんでエアバッグみたいに体を守ってくれるそうだ。乗馬は思っていたより危険なのかも知れない。少し不安になってきた。
後、嫌なことを聞いてしまった。現地集合組はそれぞれ車で来たそうだ。だから、たぶん彼らは二次会には初めから参加するつもりがないんだろう。それにしても、このイベントの目的は婚活のはずで、二次会以外にメアド交換の機会はないはずなのに、車で来るってどういうことなんだろうか。まあ、一人は男だし、もう一人は吉田羊似のプライドが高そうな女で好みじゃないので気にしないことにした。
そして、いよいよ馬に乗れることになった。男女二人ずつに別れて組になって馬小屋からそれぞれが一頭ずつ馬を連れ出す。それにしても、馬が大きい。身長は2メートル以上ありそうなので見上げる形なるが、口の近くの手綱を持って馬を連れ出す。暴れたらまったく手に負えなくなるだろうなと思いながらも、馬は素直に着いてくる。乗馬クラブのおじさんについて行き、児童公園くらいの大きさの柵で囲われた広場に到着した。ここで乗るらしい。
プラスチック製のビールケースを台にして馬の背に乗った。それにしても昔の人はどうやって馬に乗ったのか疑問に思った。そんな都合よく足場は無いし、持ち歩くのも無理だろう。偉い人が一人でお供がたくさんいるならともかく、騎馬隊みたいにみんなが馬に乗るなら一人で道具なしで乗らないとならない。足にかけるやつに片足を入れて鞍を掴んで登るんだろうか。なんだかボルダリングを思い出す。それで登れないことは無いが、重い鎧とか着てたら無理な気がする。馬の背中に乗るとかなり不安定な感じだった。不安定なだけでなく何も掴まるものがないし足場もない。そして結構な高さがある。上手く説明が難しいが、おしゃれなレストランとかにある床に足のつかない高さ2メートルの丸イスに座っているのに近いかも知れない。乗ったばかりなのにすでに降りたくなってきた。

クラブの人から馬の操作について簡単な説明があった。まあ、大体、想像してたのと同じだった。ちょっと違ったのは馬が全然言うことを聞いてくれないことだ。馬は誰が偉いのかを理解しているらしく、クラブの人の指示に従っているようだった。最初はゆっくり歩いて広場をぐるぐると回った。結構揺れるのでお尻が少し痛かった。なんで鞍にクッションをつけないんだろうか。座布団でもいいからお尻の下に敷きたかった。途中で気づいたのだが、前の馬は普通にウンコしていた。たぶん、自分が乗っている馬も同じことをしているに違いない。落馬したら痛いだけでなく、馬のウンコまみれになる可能性もありそうだ。気をつけよう。
しばらくして、早歩きっぽい歩き方になった。当然、揺れも大きくなるので落ちないように気をつけた。馬って自動車が普及するまでは乗り物だったはずだが、乗り心地は良くない。ハッキリ言うと悪い。慣れたら変わるんだろうか。でも経験者でも落馬はするから、乗り心地悪いのは変わらなそうだ。十分堪能してお尻が痛くなってきた頃に終わりになって馬を降りた。一応、心の中で馬に「ありがとう!」と言った。
広場から馬小屋への帰りも手綱を引いて馬と歩いた。馬小屋の中で馬とのツーショット写真を撮ってもらった。しかし、馬が前を見てくれないので、10枚くらい撮る羽目になった。もう二度とないので、いい記念になったかも知れない。

その後、事務所に戻って帽子やブーツを返したが、ブーツが脱げなくて結局他の人に手伝ってもらって脱いだ。そして最後に参加者みんなで集まってイベント終了になった。イベント会社の人からの二次会の提案は、「私、車なのでこもまま帰ります。」という遅れてきた女性と、「ボクも車なので・・・」という男性の発言をきっかけにみんなそれぞれ思い出したかのように用事があると言い出し、二次会はなくなった。結局、ボルダリング女性とも話す機会がなかった。今回の収穫は、馬とのツーショット写真だけだった。