独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十七話 オタク婚活パーティーでの出来事(その3)

(養分の話) 40才を超えるとオタク婚活パーティーでも限られた会にしか参加できなくなる。もともとオタクという限られた人向けのパーティーの中のさらに限定されたパーティーとなると参加する人も限られるらしく、何度か参加するうちに、顔なじみの人ができてくる。それも男ばかり。自分がそう感じているという事は、周りの人も同じように思っているんだろうと考えていた。 その日も、いつもと同じようにカップリングできずにパーティーが終了した。そしてカップル以外の女性が先に退場し、時間を置いて男性が退場となった。10人ぐらいの中年男性グループが狭いエレベーターに飲み込まれていく。だいたいみんな顔は知っているがほとんど話した事はなかったし、エレベーターの中でも無言だった。そんな時、誰かがボソリとつぶやいた。「俺たちって養分なんだよな。カップリングできる人は1、2回参加してその分の会費を払いカップルになって去って行く。俺たちは毎回、高い会費だけ払いにやって来て、何の成果もなく帰っていく。運営は本当に養分みたいなものと思ってるかも。」誰も何も言わなかったが、みんな同意しているように感じられた。 エレベーターのドアが開いてぞろぞろと歩き出す。さっきの話、自分はちょっと違うかなと思った。婚活パーティーの指標として、カップル率というのがある。例えば、10組の男女20人のパーティーで3組のカップルが誕生すればカップル率は3割となる。この値が高ければ高いほど良いパーティーとなるのだが、我々みたいに毎回、カップルになれないのに参加する人たちはカップル率を大きく下げる主な要因になる。なので、運営からすると迷惑な客と思っているかもしれない。