独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十五話 そして振り出しへ(その2)

久しぶりのデートは遠坂さんの希望で回転寿しを食べることにした。体調はすっかり良くなったそうで、見た目も元気そうだった。何の病気かを聞いたら、聞いたことのない長いカタカナ名を言われた。まあ、とにかく元気になって良かった。お寿司も美味しい。東京の回転寿しは安いところだとネタが小さく醤油をつけるとネタが落ちてしまうので嫌いだった。でも、今日のところはちゃんとした握り寿司だった。まあ、その分、高いのだが。黙々と寿司を食べていたら、突然、遠坂さんがキツイ声で「ウルサイ!」と言った。何事かと、微動だにせずに固まっていたら、「食べてる時、口が開いてるからクチャクチャ音がしてウルサイの。前にも注意したのに全然直ってないのね!」と言われた。そんな話は初耳だった。いや、20年以上前に、高校で一度言われたことがある。遠坂さんに言われたことはない、ハズだ。その場は反論せずに気をつけると言ってなだめた。その後は機嫌も直っていつも通りの遠坂さんになった。 その日のご飯は快気祝いということでおごることにした。その日もいつも通りに駅まで歩いて、そこで別れた。 数日後、来週のデートのメールを送ったら、いつもと違うメールが返ってきた。それは、クチャラーは治らない、クチャラーとは付き合えない、という内容だった。何度かメールを送ったが、それ以降、二度と返事はなかった。 また、振り出しに戻った。そこには40才の非モテ独身男(カノジョいない歴10分くらい)がいた。 (第十五話 おわり)