独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第一三話 はじめてのディナー・デート(その4)

その時、遠坂さんはメニュー見て固まっていた自分を普通に迷っていると思ったのか、「私、こういうのすぐ決めちゃうんだよね。適当に注文しちゃっていい?」と言ったのでお任せした。刺身の盛り合わせとかクシとか枝豆とかなら写真がなくてもわかったんだけど、と思ったが口に出しては言わなかった。 料理を待っている間、遠坂さんはずっとしゃべり続けていた。今はコミケの準備で忙しいらしい。コミケにはずっと前から行ってみたいと思っていながら結局一度も行ったことがなかった。開催時期になると必ずハテブにまとめ記事が載るので気にはなるのだが、人混みが嫌いなので無理してまで行きたいと思わなくなってしまった。一緒に行く友達がいれば行ってもいいのだがそんな友達はいなかった。遠坂さんから同人誌を販売する人用の入場チケットを見せてもらったが、なんかキラキラしてた。やっぱり自分みたいな年寄りにはキツイイベントのような気がする。 カシスオレンジがきたので乾杯して飲んでみた。見た目は赤かったが味はやっぱりオレンジジュースだった。遠坂さんは相変わらずしゃべり続けていた。自分は時々相槌を打つ程度だ。今は向かい合って座っているができれば隣り合ってもう少し親睦を深めたい。どうすればいいんだろうか。ぼちぼち、食べ物が届き始めた。 メリケンの話を思い出して、食べ物の話をし始める。どれも今まで食べたことのないものばかりだったので、美味しい、美味しいと言って食べた。本当に美味しかった。遠坂さんはコミケだけでなくいろんな所に行ってイベントに参加して本を売っているらしい。手に職のある人は自由でいいなぁ。一日中、パソコンの前に座っている自分とは大違いだ。結局、ほとんど遠坂さんが喋っていた気がする。メリケンのアドバイスは目を見て話す、周りを見る、笑顔の3つだったが、周りを見る以外はできたんじゃないだろうか。婚活を始めた当初はまったく女性の顔見れなかったが今はあの頃のことが嘘のように普通に顔を見て話ができるようになった。なんとなく回転寿司の自己紹介の効果のような気がする。笑顔は目の前に女性がいて話をしてくれているのだから自然とできた。でも、相手の顔を見ながら同時に周りは見れなかった。どうすればいいんだ。