第一三話 はじめてのディナー・デート(その2)
案ずるより産むが易し。遠坂さんは時間ちょうどにやって来た。
「行きましょうか」
と言われ、早速、予約したお店に向かって歩き出した。遠坂さんは人混みをかき分けながら、コンビニのキャンペーンで手に入れたアニメ(何のアニメかはよく分からなかった)のグッズの話をしていた。何だかとても慣れた感じだった。自分は相槌を打ちながら話を聞いていた。
予約したお店は駅から歩いて15分くらいかかり、ちょっと離れていた。Googleマップのおかげか道に迷わずまっすぐ歩いてこれたはずなのにちょっと遅れそうだったので自然と早歩きになっていたらしく、
「はーやーい!」
と遠坂さんに怒られてしまった。
その時初めて遠坂さんの靴を見たが、かかとの高いオシャレなサンダルを履いていた。これでは歩きにくそうだ。ちなみに自分は、いつものメーカー不詳のスニーカーではなくデパートで服をまとめ買いした時に買った革靴を履いていた。この靴は長く履いていると足が痛くなるので嫌いなのだが、デートの時は履くようにしている。ただ、靴の裏がツルツルの皮なので雨の日は転びそうで怖い。