独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第六話 はじめての料理婚活(その1)

婚活用の服を一式買い揃えたので(総額10万円)、次のイベントを探すことにした。猫カフェ以外にもいろいろあって迷ってしまう。大掛かりなものだと、バスで遠出してカヌーに乗るなんていうものまである。カヌーには乗ってみたいが初対面の人、たぶん女性とカヌーに乗るのって不安がある。クジ引きで同じペアになった女性が不機嫌になった場合、カヌーだとお互いに逃げ道がないので非常に険悪な雰囲気になりそうだ。だいたい、まだ3月なのでカヌーは寒い気がする。寒いのも暑いのも苦手だし、いいこともなさそうなのでカヌーはやめておこう。
 
他には色んな合コンがある。男性は年収500万円以上だけとか、喫煙者だけとか。あと旅行好きとか。旅行なんて修学旅行くらいしか行ったことのない俺には無縁の合コンだ。でも合コンには一度は行ってみたいかも。
 
ちょっと面白そうだと思ったのは料理婚活だ。女性と一緒に料理を作るのは楽しそうな気がする。何かのきっかけで手と手が触れ合うこともあるかもしれない。子供の頃、遠足でみんなでカレーを作ったことがあるが、女子とコミュニケーションがあった記憶が全くない。何か話をしたり作業をしていれば絶対に覚えてるはずなので、本当に何もなかったんだと思う。もったいないことをしたものだ。料理婚活であの時できなかったことを、取り戻せるかもしれない。ただ、気がかりなのは自分が料理をまったくできないことだ。包丁なんてりんごの皮をむくくらいしか使ったことがない。このままだと、結局、みんなが楽しく料理しているのを後ろで見ていることになってしまう。そんな心配をしながら、イベントの一覧を眺めていると、「ソーセージ作り」という言葉が目にとまった。腸にひき肉を詰めてソーセージを作るらしい。ソーセージの皮って腸だったんだ。いや、そうじゃなくて、こういう普通はやらないことなら料理の腕は関係ないんじゃないだろうか。みんな初体験なんだから、料理初心者だから恥をかいたり参加できないということはないだろう。すぐにソーセージづくりイベントに申し込んだ。
 
イベント会場の住所は祐天寺というところだった。別にお寺でするというのではなく、目黒にそういう地名があるらしい。目黒は電車で通り過ぎたことは何度もあるが降りたことは一度もない。ちゃんとたどり着けるか心配になる。