独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第一話 独身アラフォー男の休日

暑い夏だった。暑くて外には出たくなかったので、アパートでパソコンに向かっていた。独身、39才、男、IT企業勤務、彼女なし、友達なし、趣味なし。生活には困ってはいなかった。しかし、何のために生きているか分からなくなっていた。
 
何も悪いことはせずにまじめに生きてきたのに、なぜこうなった。テレビドラマなんかでは、普通に結婚して子供が生まれて年をとるのに、いつの間にか普通のレールから外れてしまっていたらしい。40年近く生きてきて自分がモテないことは十分理解していたが、自分と同程度の人はたくさんいると思っていた。自分は”フツウ”ではないんだろうか?
このまま人並みの幸せを感じることなく狭いアパートの一室で一人寂しく孤独死を迎えるのが俺の人生なのだろうか。俺、何か悪いことしたっけ?いや、理由は分かっている。何もしなかったからこうなったんだ。「NHKへようこそ」みたいな展開は妄想こそすれ実際には起こらない。 
友達もいないし休日も特にすることがない。特技も趣味もない。強いて挙げれば読書(主にラノベやマンガ)が趣味だが、最近は本を読んでも、どれも似たり寄ったりの内容で飽き飽きしていた。そんな時、はてブ猫カフェの記事を見た。子供の頃から動物が好きで犬や猫を飼ってみたかったがずっとアパートにいたので飼えなかった。それでカメラを持って試しに行ってみることにした。
調べてみると猫カフェは都内に何十件もあることが分かったので、片っ端から見て回ることにした。ほとんどの猫は人間に無関心で、無視するか寝ている猫がほとんどだったため、写真は撮りやすかった。猫カフェの客層はカップル、親子、友達同士が多く、たまに自分と同じ一人客もいた。しかし、この猫カフェ通いで知り合いが出来そうな感じはまったくしなかった。同じ猫好き同士なのだから気が合いそうな気もするが、相手もそう思っているとは限らない。いろんな喫茶店に行ったからといって知り合いが増えるわけがない。それと同じだった。そんな週末の繰り返して半年程過ぎて季節が冬に変わった頃、ある猫カフェのサイトの内容が目にとまった。婚活イベントの紹介だった。