独身アラフォー非モテ男の婚活日誌

友達なし彼女なしのアラフォー非モテ男による婚活活動日誌

第十五話 そして振り出しへ(その1)

遠坂さんが彼女になった日から遠坂さんが音信不通になった。メールの返事がまったく来なくなってしまった。最後に会ってから、一週間後、電話をかけようかと考えていた頃にようやく返事が来た。体調が悪くて会えないので申し訳ないから返事をしなかったとい内容だった。詳しくはよくわからないが、心配してしまうので返事は欲しい。元気になったらまた連絡をくれるそうだ。 英会話に行った時、メリケンからガールフレンドは元気かと聞かれたので、調子が悪くて最近会えていないと言うと、それは振られたんだよと言われた。自分でも自信がなかったので否定できなかった。辛い。 それから一ヶ月後、もしかしたら、やっぱり振られたかもと諦め始めた頃に、遠坂さんからメールが来た。来週は久しぶりにデートだ。

第十五話 そして振り出しへ(その2)

久しぶりのデートは遠坂さんの希望で回転寿しを食べることにした。体調はすっかり良くなったそうで、見た目も元気そうだった。何の病気かを聞いたら、聞いたことのない長いカタカナ名を言われた。まあ、とにかく元気になって良かった。お寿司も美味しい。東京の回転寿しは安いところだとネタが小さく醤油をつけるとネタが落ちてしまうので嫌いだった。でも、今日のところはちゃんとした握り寿司だった。まあ、その分、高いのだが。黙々と寿司を食べていたら、突然、遠坂さんがキツイ声で「ウルサイ!」と言った。何事かと、微動だにせずに固まっていたら、「食べてる時、口が開いてるからクチャクチャ音がしてウルサイの。前にも注意したのに全然直ってないのね!」と言われた。そんな話は初耳だった。いや、20年以上前に、高校で一度言われたことがある。遠坂さんに言われたことはない、ハズだ。その場は反論せずに気をつけると言ってなだめた。その後は機嫌も直っていつも通りの遠坂さんになった。 その日のご飯は快気祝いということでおごることにした。その日もいつも通りに駅まで歩いて、そこで別れた。 数日後、来週のデートのメールを送ったら、いつもと違うメールが返ってきた。それは、クチャラーは治らない、クチャラーとは付き合えない、という内容だった。何度かメールを送ったが、それ以降、二度と返事はなかった。 また、振り出しに戻った。そこには40才の非モテ独身男(カノジョいない歴10分くらい)がいた。 (第十五話 おわり)

閑話休題 その十一(告白)

サトータロー役の辺野々々・ローロ・茂平次(へのへの  ろーろ  もへじ)です。

私は小中高と共学だったのでほぼ毎日同い年の異性と同じ教室で過ごしていました。今の男性ばかりの職場と比べると夢のような時代です。ところが当時はまったくそんな風に考えたことすらなく学校はただただ苦痛でした。

1クラスは約40人で半分の20人は女子なので可愛い子の一人や二人はいたのですが、自分とはまったく接点がありませんでした。女子と会話した記憶がありません。休み時間は基本、本を読んでいた気がします。

ネットの記事でなど、モテないと言ってる奴は何回告白したのか?何回振られたのか?という言い回しを見たことがありますが、ほとんど女子と接点がないのに「好き」になるはずがないし、見た目が可愛いからというだけでキモい男子から告白されてら相手もショックなのではと思います。

同じ理由でラブレターを出す感覚も分かりません。そういう手紙を出すということは、相手とそれほど親しくないと考えられますが、親しくないのに好きになるっていうのが分かりません。

マンガやアニメやゲームではあまり面識のない相手に「告白」するシーンが定番ですが、あれは不自然ですし現実的でないと今は思います。今はそう思うんですが、学生時代はそうは思っておらず、ブサメンでなければ「告白」をきっかけに女子と付き合ったりデートしたりできると考えていました。順序が逆というかおかしかったんです。

■実際

知り合う→(みんなで)遊ぶ→(ふたりで)遊ぶ、デート→告白→付き合う

■マンガやアニメやゲームからの思い込み

知り合う→好きになる→相手を想う→告白→付き合う→デート

つまり、告白を成功させるために重要なのは事前の十分な根回しということになります。自分がどんなに相手が好きかはどうでもよくて、相手が自分のことをどれだけ気に入ってるか、または興味を持っているかが全てな訳です。たとえイケメンでも根回しゼロでの告白はリスクが高いですが、その場合は普通に友達になったりナンパしたりといろいろ手はあるでしょう。ブサメンはルックスが悪い上に社交性も低いので無理な個人プレーに走りがちで、ストーカーや変な人に思われかねません。

運悪く素敵な出会いに恵まれなかった自分は、いつも運命的な出会い(女の子が空から降ってきたり、訪ねてきたり、許嫁が現れたり、等々)を待ってしまっていました。まあ、待っていなくても、男でも女でもみんなで遊ぶ機会がなかったので結果は変わらなかった気がします。あの頃はただ女子と遊んでみたかっただけなのですが。女子と遊ぶには「告白」を成功させなければならないと思い込んでいたので一人で絶望してました。

婚活してるとこれまでは考えられなかったぐらいたくさんの女性と話しができます。できますが、現実の厳しさも目の当たりにします。イケメンはモテるし、そうじゃなければモテません。毎週、アプローチカードという名の「告白」と撃沈の繰り返し。最初は落ち込みますが繰り返してると慣れてもきます。それが日常になります。

第十四話 はじめてのカノジョ (その3)

あらかじめ食べログで探しておいたお店のひとつの串焼き屋さんに入った。つくねと日本酒が売りらしい。飲み物を注文した後、適当につくねや串焼きを何本か頼んだ。最近、お店での注文にも慣れてきた気がする。その時、遠坂さんがおもむろに「そろそろ、どうするか決めませんか?」と言った。うーん、どういう意味だろう。この後の予定だろうか。明日は休みなので、多少遅くなっても平気なのだが。それとも来週の予定だろうか。今日は水族館だったから、次は動物園かな。それじゃ、安易すぎるか。遊園地とかもいいかも。天気が悪ければ、映画でもいいし。でもカラオケは避けたい。音痴はそれを聴かされる人だけでなく、当人も不快にさせるからだ。でも、遠坂さんと狭い個室で二人きりというのは、魅力的ではある。目の前では遠坂さんがじっとこっちを見ている。返事を待っているのだ。何か言わないといけない。やっとのことで「何をでしょう?」と言った。その後、遠坂さんからお説教をされてしまった。自分たちは婚活パーティーで出会って何度かデートしただけであること。お互いの目的は結婚なのだから、早く付き合うかどうかを決めて、ダメなら別の人を探さないといけないこと。確かにそうだ。それで、自分としては遠坂さんと付き合いたいと一生懸命説明した。自分にはこれと言って特技や長所はないし欠点ばかりだが悪いところは直すと言った。一応、働いているし人並みの収入もあるから、もし、結婚することになったら専業主婦でも生活できるし、もし、婿養子とか何か条件があるなら、できるかどうか考えると言った。遠坂さんは「佐藤さんが真面目なのは今までのデートで十分分かりました。お付き合いしましょう。そもそも、付き合う気がないならここにいませんよ。」と言った。この時、オレにはじめてカノジョができた。 その後、お腹いっぱい串焼きを食べて店を出た。しばらく歩いた後、勇気を出してずっと気になっていたことを口に出した。 「あのー、手をつないでもいいですか?」 「・・・。」 遠坂さんは手を出してくれたので、その手を握った。何か少し汗ばんでいて思っていたのと違った。そのまま駅までのほんの短い間、手をつないで歩いたが、遠坂さんは力を抜いていて、自分が一方的に手を握っている感じだった。アニメとかマンガなら、手をつないだ途端、ハートマークが湧いてきて幸せでラブラブモードになるはずなのに、現実はえらく素っ気ないものだった。 駅に着いた後、遠坂さんとお別れした。今までと変わらないやりとりだったが、二人は付き合っているのだからカレシ・カノジョの関係のハズだ。まだ、手をつないだだけだから、恋人同士とは言えないが、これから少しづつ進めていけばいい。 家に帰る途中、コンビニでビールを買って、家で一人で祝杯をあげた。はじめてカノジョができたのだ。本当に嬉しかった。ただ、すべてが淡々としすぎていていることが、心の片隅に引っかかっていた。引っかかっていたが、順調に交際が進んでいるのだから問題ないとそれ以上考えるのをやめた。 (第十四話 おわり)

第十四話 はじめてのカノジョ (その2)

デート当日、いつものように自分は一時間前には待ち合わせ場所に到着していた。なぜ、早く来るかと言うと、相手を待てせるのがキライなのと、方向音痴なので事前に目的地を確認しておくためだ。早速、水族館の場所をスマホ片手に確認する。そして、あっさり、入り口を発見する。時間が余ったので、近くの喫茶店に入る。これもいつもの事だった。ただ、最初、アンナミラーズという店に入ろうと思ったが行列ができてたので、別の店にした。都会の喫茶店はいつも混んでいるので困る。 遠坂さんはいつも通り時間丁度に来たので、そのまま、水族館に向かう。そして水族館の入り口で二人分のチケットを買った。何だかカップルみたいで新鮮な気分だ。水族館に入るともうすぐイルカショーが始まるというアナウンスが流れていた。イルカショーなんて今まで一度も見たことがなかったので、遠坂さんに「先にイルカショーを見に行きませんか?」と聞いてみると、遠坂さんも久しぶりだから見たいとう話だったので、急いでイルカショーのコーナーに向かった。 イルカショーの会場に着くとすでに人で溢れていた。それでもなんとか中央のプールが見えそうな隙間を確保できた。もちろん立ち見だがそれは我慢するしかない。 前の方の列では小さい子供たちが透明なビニールのカッパのようなモノを着ていた。やっぱりこういう場所は親子で来るのが似合いそうだ。自分もそういう機会が訪れるんだろうか。子供は好きだが、もう40才を超えているので子供は難しいだろう。子連れの女性とかならアリかも知れない。でも血の繋がっていない子供を好きになれるだろうか。子供の時に虐待された子供は同じことを子供にすると聞いたことがある。もしかしたら自分もそうするかも知れない。そんなことになったらどうすればいい?離婚かな?自分の父親と同じことをして、同じ結果になるのかも知れない。ただ、今は結婚すらしていないのだから、父親以下だ。 初めて見たイルカショーは結構面白かった。イルカのジャンプは体長が大きく思っていたより迫力があった。大きな水しぶきが上がるたびに子供の悲鳴というか歓声が響き渡った。 その後、普通に水族館の中を見て回った。水槽をトンネル状にくり抜いた通路を見上げるとサメやエイなどの大型の魚が泳いでいた。あれ、魚でいいんだっけ?まあ、いいや。暖かい地域のカラフルな魚、寒い地域の地味な色の魚、いろいろいる。それにしても地味な色の魚を見てると寿司を食べたくなってくる。ああ、あのおっきなタラバガニも美味しそうだ。一通り見て回りお腹も空いてきたので、ご飯を食べることにした。

第十四話 はじめてのカノジョ (その1)

遠坂さんと晩ごはんを二度、食べに行った後、次は昼間に会おうという話になり、暑い日が続いてるから水族館を提案したらあっさり決まった。

サンシャインは昔、行ったことがあるそうなので、品川の水族館にした。他には葛西臨海公園とか八景島とかにもあるらしいが、遠いという理由で却下された。

水族館は子供の頃に小樽の水族館に行ったことがあるが、全然、覚えていなかった。大人になってからは水族館に行こうと思ったことすらなかった。男性が、それも中年男性がひとりで水族館を歩いている光景はなんとなく不穏なものを感じる。うる星やつら2でラムちゃんが一人で水族館を歩いているシーンがあるが、えらい違いだと思う。そういえば、無邪鬼は水族館に何しに来てたんだろう。今更ながら、あのラムちゃんと無邪鬼の出会いのシーンは無理がある気がしてきた。映画を見てる時はキレイなシーンだしまったく気にならなかったが、偶然の出会いにしては無理がありすぎる。世紀末シーンのトラックの運転手もそうだが、あの映画は実は粗がたくさんあるのかもしれない。

話をデートに戻すと、なんでも水族館は駅のすぐそばらしいので、品川駅の改札口で待ち合わせる事にした。

閑話休題 その十(アマゾン プライム・ビデオの話)

サトータロー役の辺野々々・ローロ・茂平次(へのへの  ろーろ  もへじ)です。

お正月は暇だったので家で映画を観ていました。映画といってもamazonの有料会員用向けの無料の動画配信サービスです。追加料金なしで観ることができるのですが、amazonレビューで星4つ以上の面白いものがあり楽しめました。

・八日目の蝉

普段は邦画はまったく観ないんですが面白かったです。後半4回くらい涙が出てきました。

永作博美さんと井上真央さんを始めお父さん、お母さん役の演技がとても良かったです。

お話は赤ん坊を誘拐して育てるだけの話なのですが、非常に真実味がある演技でずっと内容に引き込まれていました。

私の両親は小学校の頃に離婚して、母方の実家に引越した後に再婚しているせいか、あまり血のつながりにこだわりがありません。

そのためか、ところどころ共感するところもありました。

この映画は不倫の話でもあります。ベッキーさんの不倫騒動もそうですが、なんで女性は既婚男性と付き合いたがるのでしょう。たぶん女性の言い分は好きになった男性が結婚していただけと答える気がします。つまりそれって、モテる男は彼女ができるし、結婚もできて、不倫もしやすいという事なのでしょう。非モテ男性としてはモテる男性と関わらないように頑張るしかないのでしょう。

バニラスカイ

トム・クルーズ主演のSF映画です。事前上無しで観たんですが面白かったです。この映画にはキャメロン・ディアスが演じる女ストーカーが登場しますが、とても羨ましい状況でした。ただ、そういう状況はスクール・デイズの桂言葉(かつら ことのは)でも同じでしたがモテる男性がいて初めて成り立つので自分とは無縁のようです。

それからこの映画はエッチなシーンがいくつかあるので、家族で見ると気まずい思いをするので注意して下さい。

Wの悲劇

女優に憧れる少女が夢を叶えるジャパニーズドリームのお話です。1980年代なので自分が大体中学生頃の映画なのでみんな黒髪だったり携帯電話がなかったりといろいろ懐かしさを感じます。自分の中の東京のイメージもこの頃にテレビで作られたので、いろいろ感慨深いものがあります。